入社1週間・試用期間中でも退職代行は使える?早期退職の法律上のルールと罪悪感の手放し方

「入社してまだ1週間なのに、もう辞めたい」「求人票や面接で聞いていた話と、実際の仕事内容や職場の雰囲気がまったく違った」——入社直後にこうしたギャップを感じ、すぐにでも辞めたいのに、「試用期間中なのに辞めるなんて」「せっかく採用してもらったのに」という罪悪感から言い出せずに悩んでいる方は少なくありません。

この記事では、社会保険労務士の立場から、試用期間中や入社直後の退職に関する法律上のルールと、罪悪感を手放すための考え方、そして実際の手続きの進め方について解説します。

「入社してすぐ辞めたい」と思うことは、恥ずかしいことではない

まず知っていただきたいのは、入社直後に「合わない」「話が違う」と感じ、辞めたいと思うこと自体は、決して珍しいことでも、恥ずかしいことでもないということです。

求人票や面接で説明された労働条件と、実際の業務内容・労働時間・職場の人間関係が大きく異なっていた場合、それは労働者側の適応力の問題ではなく、採用時の情報提供のあり方に問題があったと考えることもできます。実際に、労働基準法では、会社は労働契約の締結に際して、賃金や労働時間などの労働条件を明示する義務を負っています(労働基準法第15条第1項)。

「まだ試用期間だから」「せっかく採用してもらったのに申し訳ない」と自分を責める必要はありません。合わないと感じた環境に、無理に自分を合わせ続ける必要はないのです。

社労士が解説:試用期間中の退職に関する法的な位置づけ

試用期間中も「労働契約」はすでに成立している

試用期間は、正式採用の前段階として、労働者の適性を見極めるために設けられる期間ですが、法的には「解約権留保付労働契約」と位置づけられています。つまり、試用期間の開始時点で、労働契約そのものはすでに成立しており、あなたは会社の「従業員」なのです。「まだお試し期間だから、正式な退職の手続きは踏まなくていい」ということにはなりません。

試用期間中でも、民法627条にもとづいて退職できる

労働契約がすでに成立している以上、試用期間中の退職についても、通常の退職と同じく、民法第627条第1項が適用されます。期間の定めのない雇用契約であれば、退職を申し入れてから2週間が経過すれば、契約は終了します。

「試用期間中は辞められない」「もっと長く働かないと退職を認めない」といった会社側の主張は、法的な根拠を欠くものです。試用期間中であっても、退職するかどうかを決める権利は、あなた自身にあります。

求人内容と実態が著しく違う場合は、より早期の退職も可能なケースがある

前述のとおり、会社には労働条件を明示する義務があります(労働基準法第15条第1項)。明示された労働条件と実際の労働条件が著しく相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できるとされています(同条第2項)。求人票や面接で説明されていた内容と、実際の業務内容・給与・勤務時間などが大きく異なっていた場合には、通常の2週間ルールを待たずに退職できる可能性もあります。この点については、状況が個別的であるため、専門家に相談しながら判断することをおすすめします。

なお、この即時解除の意思表示を退職代行サービスを通じて行う場合、社労士運営・監修を含む民間業者が担うのは、あくまで本人が即時解除する旨の意思表示を会社へ伝達する「使者」としての役割にとどまります。労働条件が実際に著しく相違していたかどうかについて会社側と事実関係を交渉することはできないため、会社がこれを争ってきた場合には、労働組合や弁護士に相談する必要があります。

試用期間中に退職する場合の具体的なステップ

ステップ1:雇用契約書・求人票を手元に用意する

「話が違う」と感じた場合には、その根拠となる求人票や雇用契約書、面接時のメモなどを手元に残しておきましょう。後のやり取りで、条件の相違を説明する材料になります。

ステップ2:退職の意思を伝える

退職届やメールなど、記録に残る形で退職の意思を伝えます。試用期間中であっても、正式な退職の手続きとして扱われます。

ステップ3:貸与物の返却と、受け取るべき書類を確認する

入社時に交付された社員証、制服、パソコンなどの貸与物は、指示に従って返却しましょう。あわせて、給与の支払いに関する源泉徴収票や、雇用保険に加入していた場合の離職票など、退職後に必要な書類についても確認しておくと安心です。入社間もない場合は、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入手続きがまだ済んでいないケースもあるため、加入状況もあわせて確認しておきましょう。

早期退職に対する周囲の見え方について

「入社してすぐ辞めたら、今後の転職活動で不利になるのでは」と不安に思う方もいるでしょう。もちろん、転職活動においては在籍期間が短いことについて説明を求められる場合はあります。しかし、労働条件の相違など、正当な理由があって早期に退職したこと自体が、致命的な評価につながるとは限りません。無理をして心身を消耗させながら働き続けることのほうが、長期的にはより大きな損失につながる可能性があります。

退職代行を利用する場合の注意点

「入社したばかりで、退職を言い出す勇気がどうしても出ない」という場合には、試用期間中であっても退職代行サービスを利用することができます。運営元によって対応範囲が異なる点には注意しましょう。

運営元 できること
弁護士 労働条件の相違を理由とした交渉や、未払い賃金の請求などすべての法的代理行為が可能
労働組合 団体交渉権にもとづき、退職日や条件について会社側と交渉できる
民間業者(社労士運営・監修含む) 退職の意思を会社に伝える「使者」としての役割。会社との交渉はできない

求人内容との相違について未払い賃金の精算や条件交渉が必要になりそうな場合は、弁護士や労働組合が運営する退職代行が適しています。「とにかく早く、円滑に退職の意思だけを伝えたい」という場合は、社労士が運営・監修する民間サービスでも、退職後の社会保険手続きなどを含めてサポートを受けられます。

まとめ

試用期間中であっても、労働契約はすでに成立しており、民法第627条にもとづいて退職することができます。「入社してすぐなのに辞めるのは申し訳ない」という罪悪感を抱く必要はありません。求人内容と実態に大きな相違がある場合には、より早期の退職が可能なケースもあります。一人で言い出しにくい場合は、退職代行サービスの利用も検討しましょう。

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「入社したばかりで、退職を言い出すのがどうしても怖い」「試用期間中でも退職代行を使えるのか知りたい」という方は、ぜひ一度「退職代行リブート」にご相談ください。

退職代行リブートは社会保険労務士が運営しており、入社直後・試用期間中の方からのご相談にも対応しています。退職の意思を会社へ伝えるだけでなく、社会保険の加入状況の確認や退職後の手続きについてのご相談もお受けしています。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の法的紛争や個別具体的な判断が必要な場合は、必要に応じて専門機関にご相談ください。

監修:社会保険労務士 福岡泰弘(登録番号:14200009)